【イベントレポート】 Educators School *Talk Session 「地域ベースで、生きる力をはぐくむ」

先日の8月20日、《Educators School * Talk Session「地域ベースで、生きる力をはぐくむ」》というイベントに参加してきました!

代表の井上もゲストスピーカーとして参加させていただいたこのイベント。NPO関係者だけではなく、大学教授や現場の先生、学生や地域の方々など、色んな立場の人が寄り集まって同じテーマについて考えをめぐらせました。

今回はそんなイベントの様子について、ちょっとばかりご紹介したいと思います!

 

 

コアプラスってどんな団体?

 

イベントを主催していただいたのは、大阪市東淀川区で活動されている「一般社団法人コアプラス」さんです。

コアプラスさんは今回のような教育をテーマとしたイベントやワークショップだけでなく、内外でのスタディツアーや博覧会などの実施を通して、教育にかかわる人たちに向けたつながり・学び合い・エンパワメントの「場づくり」を行っているそうです。

今回イベントが実施された《co-arc》というコミュニティスペースも、実はコアプラスさんが運営されている場所。

木のぬくもりが感じられるすてきな空間で、色んな人が集まっては子どもや教育、まちづくりというテーマをきっかけに繋がり、話し合っているんだろうなーと想像がふくらみました。

 

今回のイベントについて

 

《Educators School * Talk Session「地域ベースで、生きる力をはぐくむ」》と題された今回のイベントでは、元文部官僚で現在京都造形芸術大学教授・映画評論家の寺脇研さん、弊団体代表の井上の2人をゲストスピーカー、そしてコアプラス代表の武田緑さんをコーディネーターとして、地域で子どもの「生きる力」を育むことの可能性について話し合われました。

政治の立場から俯瞰的に捉えるとどう見えるのか、地域の今に根差したNPOや公教育機関という立場からの目線には何がうつっているのか、これからの教育を担う学生は何を考えるのか…。

多様な人が参加しているからこそ、お互いにハッとするような新たな考えが生み出されていく、そんな場になっていたように感じます。

このあたりで前おきはさておき、イベントはゲストスピーカーの方々からのお話からはじまりました。

どんなお話がされたのでしょうか?

 

 

長期的に見れば、地域の力は強くなってきている

 

寺脇さんは、教育における「地域」の役割についてはまず鳥瞰的な視点から広く捉えることが必要だと話します。

そもそも私たちが知っているような学校というものが日本に取り入れられたのは明治時代に入ってからのこと。それまでは主に地域が教育の役割を果たすのが当然だったといいます。それ以降、学校制度が整うにつれて、学校・地域・家庭という3つのセクターに教育が担われるようになっていきました。

しかし、戦後の経済成長を経て高度資本主義社会になってくると、お金さえあれば教育はやっていけるという風潮が高まっために、教育の比重が学校やそれに付随する塾などに偏り、「地域で子どもを育む」という力が衰退してしまいます。

それはいけない、ということで1980年代に設置されたのが臨時教育審議会でした。

ゆとり教育の基礎を作った場としてあれこれ言われることはありますが、ここで注目すべきなのは、「生涯学習」の理念が打ち出され、これからの教育は学校だけではなく地域社会もその役割を担わなければならないということが明示されたことだと寺脇さんはいいます。

今だけを見ると教育における地域の役割は乏しいように思えますが、地域が教育の役割を担わなくなってしまった当時と比べれば、少しずつ地域の教育力は高まってきているようですね。

 

 

地域ありきの教育へ

 

注意しなければならないのは、「地域で子どもを育む」というのが、学校・地域・家庭が独立し、地域が学校や家庭とは全く別枠で何かをやってくれるということではないということです(図1)。

そうではなく、学校での教育も家庭での教育も、どちらも地域に包まれているというのが「地域で子どもを育む」ということが示していることだと言えます(図2)

そうなると、もちろん学校での教育も地域と密接に関わることになります。

参加者の学校の先生方からも、総合的な学習の時間にとどまらず、これからはどの教科でも地域とのつながりを考えていく必要があるとの声があがっていました。

また家庭であったり、その他学習支援の場等でも同じようなことがいえそうですね。

 

 図1:学校・地域・家庭が独立               

イベントレポート画像①

 

 図2:地域ありきの教育

         イベントレポート画像②

 

         

学びとは何か?地域とは何か?

 

このように「地域で子どもを育む」ってどういうことだろうと考えることは、つきつめれば、これからの時代における「学びとは何か」あるいは「地域・公共とは何か」という問いに直結していきます。

今回のイベントでも、このことについて意見を交わす機会がありました。

学校と塾で教科的なものだけ教え、良い大学に進学して良い会社行けば一生安泰という時代が過ぎさってしまったとき、子どもにとっての「学び」や「生きる力」とはどういうことなのか。

またそれを育む「地域」あるいは「公共」とはどういうものであり、その社会では人々はどのようにつながっているのか。等々。

もちろんその場でこれという答えが出ることはありませんでしたが、現在がちょうど地域の教育に重きがおかれるようになる過渡期にあるからこそ、これまで自明だった言葉をもう一度語り直す必要があるのだなと感じることができました。

 

 

様々なセクターが繋がりつつある

 

大学教授や学校の先生、地域の方々や学生など、色んな立場の方々が集まった今回のイベントでは、普段はあまり関係がないようでも実は同じような課題や疑問を抱えているんだということを、お互いに知り合うことができたように思います。

弊団体としても、色んな分野の方々との関わりを視野に入れつつ、今後も地域で子どもを育むとはどういうことか、また今あるリソースをもとに如何に教育をデザインし直していけるかを考えていきたい、と再認識する機会になりました。

 

コアプラスさん、参加者の皆さま、本当にありがとうございました!

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