学力格差を乗り越えるには<前編>

私たちクレイシュがクラウドファンディングを通じてつくりたいのは、「子どもたちが未来をデザインするための新しい学習支援」。それは、子どもたちが個別の学習指導と興味関心に基づいたプロジェクトへの参加を通じて、楽しみながら学力・自尊感情・生活力を身につけられる「学び」の機会です。

本来、こうした「学び」の機会はすべての子どもたちに保障されているべきものでしょう。しかし、現実には親世代のあらゆる格差が子どもたちの「学び」の機会にも不平等を及ぼしてしまっています。

子どもたちの教育機会の不平等の背景にはどのような問題があるのか、また、そうした子どもたちを取り巻く壁を乗り越えていくために私たちに何ができるのか、これから全2回に渡りお伝えしたいと思います。 

 

「格差」って…?

「格差」。この言葉を耳にすること増えていませんか?お笑い芸人と女優が結婚すれば格差婚などと言われますし、「正規雇用と非正規雇用の間の賃金格差をなくせ!」という主張をニュースで見ることもよくあります。それでは、学力格差という言葉を聞かれたことはありますか? また、学力格差という現象が、どういった子どもたちに、どのくらいの不利益を与えているのかは知っていますか?

今回のコラムは、学力格差というキーワードに焦点を当ててみたいと思います。

 

学力低下論争

学力の問題は、現在でこそ教育の一大テーマとなっていますが、2002年以前はほとんど扱われることがありませんでした。2002年前後に一体何があったのでしょうか?

学力が積極的に議論されるようになったきっかけは、1998年の文部科学省による学習指導要領の改訂と、それに伴う「学力低下論争」の勃発です。これらを受けて、世論は「ゆとり教育は果たして成功なのかあるいは失敗なのか」や「学力は低下したのか」などに関心を寄せました。

こうした「学力低下論争」に一石が投じられたのが、2002年だったのです。教育社会学者の苅谷剛彦氏や志水宏吉氏らは1989年と2001年に関西地方で行われた学力調査を分析し「学力低下は、子どもたち全体の学力水準の低下ではなく、中以下の学力層の点数が落ち込んでいること(=「2こぶラクダ化」)の結果、すなわち学力格差の拡大によってもたらされたものである」と主張しました。「家庭環境が厳しい子ども」と「そうでない子ども」との間の学力格差が見られるようになっている、とされたのです。

 

学力格差の現状

それでは、日本の子どもたちの学力格差の現状はどうなっているのでしょうか?

先ほどの関西地方の学力調査は、12年ごとに行われていて、2013年にも実施されました。その分析によれば、2001年に一旦大きくなった小中学生の学力格差は、2013年にはやや縮小傾向にあるという結果が導き出されました。学力格差縮小の原因を断定することは難しいですが、1番に考えられるのは、2003年に文部科学省が「たしかな学力向上路線」へと方向転換した結果、学力向上に対する学校現場の意識の高まりと努力の蓄積が功を奏したという見方です。

一方で気がかりとされているのが、学校間格差が拡大している可能性です。2007年の全国学力・学習状況調査における、横浜市の学校別成績を見てみると、最も点数が取れている学校と取れていない学校との間には、ダブルスコアに近い開きがあるのです。

 

私たちにできること

学力格差は一部では縮小していますが、その一方で拡大している可能性も指摘されています。学校現場のがんばりによって縮小している面もありますが、学校の先生の多忙化が問題視されている中、これ以上学校現場に頼るのは無理があります。こうした状況で、私たちは一体何ができるのでしょうか?

後編では、学力格差解決に向けた可能性と私たちの取り組みをご紹介します。

 

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